古くから多くの立派な絵馬が奉納されておりましたが、神楽所の奥深く納められ、人目にふれることもなく埋もれておりましたが、昭和27年講和条約を記念して新しく絵馬殿を建立し、多くの人に公開されることとなりました。
最近観光の方が多く訪れ、立派な絵馬に感嘆の声をあげておられます。
代表的な絵馬を次にご紹介いたします。
■ 黒神馬
(市指定文化財)
この絵馬は慶安2年(1649)、時の篠山城主松平山城守忠国公が奉納された大額で、狩野尚信の筆と伝えられています。
筆勢まことに見事で、夜毎に馬が絵からぬけ出し田の豆を荒らしたので、金網を張ったり、あるいは口に綱をつけてとび出すのを防いだといわれる逸品。
■ 大森彦七盛長、南朝の雄魂に悩まされる
(市指定文化財)
この絵馬は貞享4年(1687)、松平家臣塀和佐内景広が奉納したもので、絵師不明。
伊予の国の住人大森彦七がかねて足利尊氏の幕下として、湊川の戦いに、南朝の忠臣楠木正成に詰腹を切らせた応報として、暦応3年に至って、南朝の諸雄の霊魂に悩まされたという故事。
--太平記第23巻--を描いた絵図。
その他「巴御前」、「曽我五郎時致、五郎丸に捕らえられる図」など20数点が所狭しと掲げられております。